中欧旅行記20 旅の終わり

朝、早くに起きた後、食事を済ませて、荷造りをする

昨日の夕方にあらかた終えておいたので時間はかからなかった。

思ったよりも出発まで時間があったので一息、窓から外の風景に浸る。


今日で最期だ。

これから空港へ行って、飛行機乗り継いで、日本へ帰国する。

窓辺からの憧憬に見切りをつけてホテルを出る。

駅前でもう少しだけ土産のお菓子を買っておいた。

空港までの切符を買うともう残金はわずかになってしまった。

なんとか空港でビールくらいは買えるだろうか

列車に揺られながら、オーストリアの町を眺めた。

思えばずいぶん長く旅をした

ワルシャワにいたころが遠く昔のことのように思える。

空港でなんとか土産のビールを買ったら残金が日本円で1ケタになってしまった

もう少し持って来るべきだったかもしれないな

まぁでもやりたいことは全部やれた、満足だ。

行きと同じでドバイで乗り継いで、日本へ

エミレーツ航空はもう4度目か

読めなかった本がいくつかあったので本を少し読んだりもしたけど、疲れがたまっていたのでほとんどの時間寝ていた。

帰国し着陸した後、とりあえず銀行に行かないと帰れないので空港内のATMへ駆け込む


・・・・・・帰ってきた




長い旅だった。いや短いとも言える。

今までの人生の中では一番長く旅をしたけど、これでもう満足か?と問われれば、否だろう。

まだまだ旅を続けたかったという思いがある。

しかし前回のドイツ、前々回の英国のように後ろ髪を引かれ続ける旅ではなかった。

自由に独りで、思うままに、ただただ歩いた。

忙しかったから、ホテルだけとって飛行機に乗って、全く何も調べずに旅を始めたから、困ったこともあった。

次の町への行き方がわからなくて、立ち止まって、考えて、答えを出して、納得して、実行してみて、うまくいったと笑って酒を飲む。

そういう何気ない、いっそ人間的な、真新しさで歩いていった。

ずっと独りだったけど、寂しくはなかった、恐怖も無かった。

ただ自分で目的地を決めて、朝起きるのが楽しくて、旅することが楽しくてしょうがなかった。

もうこんな旅は無いかもしれない

このまま自分で敷いた「失敗はしない人生」を行けば、こんな旅はできないだろう


2年後、あるいはその次に欧州へのんびり旅ができるのなら宿は初日意外決めないで行こうかな、お金さえあれば満足いくまま都市の移動ができるだろう。

それにしても楽しかった

ほんとうに・・・



きっとまた、旅するし、出来る日はいつか来るだろうけど

今より自由になんて、なれるのだろうか

そんな幾つも浮かぶ、未来への不安は尽きないけれど

それでも願わずにはいられない

まだまだ旅を続けたいと